2019-05-03 日記 古書店には不思議な気が漂っている 幾年もの月日を越えてきた本には人々の営みと歴史が 擦り切れた紙と傷の付いた扉に刻まれている 人と人 人と人 繋がるものは全て生活で 交差してきた人の線がその傷痕なのだ それを一所に集めて漂うものは 圧倒的な風を含ませて窓から抜けていく 抜け落ちた頁 壊れた栞 糊の剥がれた背 人の匂いがする 優しい風だ