殺意と炎天下の純情

吐いて捨てるほどの

 

 

己の身を投獄し、安堵した心地でいるとき

僕は僕自身を浅はかで愚かだと認識していて

人は僕を憐れな目で眺めている

石壁の部屋は冷たくて居心地が良かった

 

人と会話もしくは対話するということは

僕にとって僕を言葉という方法で具現化するための必要なことであった らしい

(僕の観ている映像は僕以外には見えないため)

 

祈ることと、祈りそのものは

存在のかたちが少し違う

僕は祈りというものそのものを愛していて

祈ることに関してはあまりわからない

祈りは存在のかたちであって、所作ではない

 

言葉には推敲が必要で

一晩、もしくは二晩 時にはもっと多く

僕がほんとうに言いたかったことは何なのか

薄ら闇の夜のしじまで手探っていた

断崖絶壁の絶体絶命ではなく

己の意思で飛び立つことが可能な入江で

由来の不明な引き出しから

途端に飛び出てきたような

そういう歌を口遊みながら

 

石膏色の空が美しくて目を見遣るときに

瞼にかすかな絶望の気配が産まれる

死にたいという簡単なことだけを書きたい時

僕は原稿用紙を3枚も使うのだ