殺意と炎天下の純情

吐いて捨てるほどの

洗い晒し

自分に無いものを持つ人を羨ましいと思う反面、 全く羨ましいとも思ってないというのが僕の悪いところである 賭けなければ当たらないが、当てるために賭けるというのは些か愚かである 僕にとってはそうであるだけで、そうではないことも理解している 一切合…

雑記

冬ってけっこう忙しい 夏の暑さに負けただらしない僕が残したやり残しを全部、年が明けるまでにやらないといけない 部屋を片付けて、窓を拭いて、シーツを替えないといけない 幾度となく季節が廻って、時間が過ぎて、 幽霊のように生きていた頃の記憶がすっ…

人に自分のことを話す時、 うまくできなくてつい笑ってしまう 自分を茶化しているのが自分自身 静かにゆっくり話したくても 大きな声で笑って誤魔化している だって、静かにゆっくり話したら みんな僕のこと心配する 静かにゆっくり話を聞いてくれてしまう …

Gardenia to safflower

夕暮れの空がメロン色の日 家に帰る道がとても静かで 静かに蝉が喚いていて 気温はもうそこそこに落ちついていて 小さな頃に体感したあの夏そのものだった その日の記憶と違うのは今僕が仕事帰りで 煙草を吸いながらこれを書いていて 目線が高くなったこと …

海豚の夢

渋谷のお気に入りの喫茶店が無くなったことが 途端に、胸が苦しくなるほど悲しくなった もう3年も前のことだった あの時抱えた感情にやっと 身体が追いついたのかもしれない 僕たちには、失われていくひとつずつを 失うことそれだけをひとつひとつ確かめて …

気まぐれ、過ち

御守りみたいな曲がイヤホンから流れてくる 僕は帰りの電車を乗り過ごしているところだった すっかり日が暮れた勝手のわからない駅のホームで、虫みたいにゴミが浮遊する やたらと、落ち着いた空気が、 ある種の居心地の悪さを作り上げていた 蛍光灯が近くて…

涙と共に苦しそうに声を吐き出すことに合わせて雨が降り始める 僕たちはずっと哀れで美しかった 全ての身体が柔らかくなってしまった獅子の様で 金色の立髪がマリーゴールドのように腑抜けている 愛しているということ 急に雨が降り出した時に、君は傘を持っ…

己の身を投獄し、安堵した心地でいるとき 僕は僕自身を浅はかで愚かだと認識していて 人は僕を憐れな目で眺めている 石壁の部屋は冷たくて居心地が良かった 人と会話もしくは対話するということは 僕にとって僕を言葉という方法で具現化するための必要なこと…

春泥

グロテスクで、恥ずかしくて、気色悪くて異臭がする 生きることって多分、大概そうなのかもしれない 人が、あまりにも多すぎる 多すぎる人が居る 肌の温度も、声も、瞬きも、 全部が違ういのちであることが気持ち悪い 気持ち悪いけど、 きっと尊いものなのか…

春、新しい風が否応なしに吹いている朝の電車で、新しいエネルギーがそこかしこに芽吹いていることに薄々気づきながら、それが目に入らないように突っ伏して寝たふりをしている。毎日。 カサカサになった肌を撫でては溜息を吐き、あと何駅か、あと何分か、腕…

他人はくだらないと思うだろうが、自分にとっては重大なことがたくさんある 自分でも馬鹿馬鹿しいと知っていても どうにもこうにもいかないことがある いろんなことを考えすぎたせいで 馬鹿になってしまったみたいで 元々自分が馬鹿なことは知っているけど …

なんだか言いたいこともなくなってきてしまった いや、言いたいことはたくさんあって、 でもそれが声に出す前に霞になって散ってしまう 多分そういうこと 散り散りに 吐くまで飲んで終電に駆け込むお兄さんとか 真っ黒な服を着たおじさんしかいない朝とか 気…

そこそこに、 いろんなものを失ってきたと思う 怖くなって怖くなって怖くなって もう何も失くしたくなくて なにもない場所にずっといる いつか壊れるのは形のあるものだけじゃない もう、あたしも結構ぼろぼろだし 大事にしてたものが壊れるのはつらい 時間…

あたしもしかしたら、一緒に血塗れになりながら地獄を這いずり回ってくれる人が欲しいのかも

まだまだあたしはガキで 自分以外の全てのことに責任を持てない 悲しくて泣いたり 怒って泣いたり 嬉しくて言葉を無くしたり さみしくて俯いたり 大人になるってどういうことなのかあんまりわかってない わかってないままここまできてしまった 思い出ってあ…

先日、友人たちと海へ行った ふらっと観に行くことはあっても、 本気で遊ぶことなんて、今はもう無いみたいな記憶の中にほんのり、あるような気がするくらい遠い思い出 いざ着いてみると、明らかに自分が「外で遊ばない人」の風貌をしていて、浮いているよう…

6秒で忘れられる怒りなら最初から抱えない 霞みたいに溶けて消えてくれるなら最初から無いようなものだよ 思い出せてしまうだろ 脚が震えて凍るような憤りを抱え続けてる 呪いの単位はそれぞれだけど 大きさは全部同じ 許さない、許さないと思い続けてる 祈…

水の流動性 雲のない夜の静観性 花の威風凛然 揺り篭 水筒 灰皿 洗面器 そういう受容性 水槽の中の水はそこに何も居なければ空間を空間として埋める 包む 抱擁 そういうような 透明な密度がある

紫陽花の青色って他の花よりちょっとだけ特別 どうしてかはあんまりわからないんだけど 単純に紫陽花が好きなんだろうとは思う でも1番かと言われると難しいな 1番好きな花って思いつかない よく見ないと見つからないちいさな花でも 大きく顔を上げた煌びや…

普通で平凡な幸せな生活がしたかった 目を塞いで見えない振りをしているだけで 聞こえない振りをしているだけで 知らない振りをしているだけで 本当は全然普通じゃない 何もかもが普通じゃない 普通で平凡でそれでもそこそこに満足のいく生活というものが 本…

ほのかに吐き気のするような感覚の 呼吸のし辛さが襲う時が今でもある 毎日元気100倍でいられないとはわかってても というか24時間365日1分1秒を元気100倍勇気100%でいられるのならそっちの方が恐ろしさ的には上なのだと思うけど 岩山の陰から海に落ちてしま…

僕が僕であることに ただ一つの絶対を与えてあげるとすれば どの道を通ってきたかだと思う

ephemera

一枚だけの印刷物 役割を終えたら捨てられるもの 1日しか存在しえないもの 短命な虫、花 または短命であることそれそのもの すぐに役目を終えるものでも産まれる瞬間の息吹があると思う。 そういうものが蠢く瞬間っていうのは、 ものを書いている、描いてい…

記憶録

もう、昔のように消えていなくなりたいとか死んでしまいたいと思うことは無くなったけど、 それでも私の中には「死ぬこと」に対するあの頃の気持ちはあまり変わっていないように思う ひとつだけ残っている救いだったし、 でも怖くて怖くて仕方なかった 死に…

本格的に眠れない夜、というのがごくごく稀にあって 寝過ぎとか、不安なことがあるとか、栄養が取れてないとか、運動不足とか、そういうのじゃなく、唐突にやってくるもので 得体の知れない結果だけを目の当たりにしたとき、原因がわからないもしくは原因は…

散る桜は次に咲く花たちへの合図

すこしくすぐったい風が吹いて、これから芽吹く草木の予感が舞い込んだ 温かい、ってどんな感覚だったかなと思い出して 伸びた爪の先まで花弁をちらつかせている バタバタと過ぎていく時間に ひとときの安らぎがほしくて泣きたい よく聞こえない声がする 耳…

たまに、壊れてしまったパソコンに入っていた もう会えない私の詩のことを思い出す

いちばん大きな雷光が 夏の終わりを静かに告げている

愛は数じゃないけれど、数で現す愛はある