殺意と炎天下の純情

吐いて捨てるほどの

 

 

まだまだあたしはガキで

自分以外の全てのことに責任を持てない

悲しくて泣いたり

怒って泣いたり

嬉しくて言葉を無くしたり

さみしくて俯いたり

 

大人になるってどういうことなのかあんまりわかってない

 

わかってないままここまできてしまった

 

思い出ってあんまり必要ないと思ってた

多分まだそう思ってる

 

今この時この瞬間

痛みも重みも自分のものでしかなくて

自分のことは自分にしかわからないのに

自分ですら自分のことがわからない

 

あたしいつまでこうなんだろうって

たまに不安になる

でも、全部が大丈夫になってしまうのも怖くて

足りない頭で必死に考えても

何も思いつかないから

居もしない神様に全部を任せてる

 

 

 

 

 

 

 

先日、友人たちと海へ行った

 

ふらっと観に行くことはあっても、

本気で遊ぶことなんて、今はもう無いみたいな記憶の中にほんのり、あるような気がするくらい遠い思い出

 

いざ着いてみると、明らかに自分が「外で遊ばない人」の風貌をしていて、浮いているような気がして少し恥ずかしかった

 

 

海に潜っても海に触れられた気がしなかった

海塩なのか鼻水なのか涙なのかもうわからないほどぐしゃぐしゃになった

いつかなりたい海そのものに、文字通り溺れたのに

寄せて返す波が私を拒んでいるみたいで

それが少し嬉しかった

 

私なんかを受け入れないでほしい

人間になってしまった私を受け入れないでほしい 美味しくないから

 

この波に呑まれたら死ぬんだって思いながら

それが1番贅沢かもしれないなんて思った

 

いろんなことの楽しみ方を知っている友人がいることがありがたいと思った

1人じゃできないから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6秒で忘れられる怒りなら最初から抱えない

霞みたいに溶けて消えてくれるなら最初から無いようなものだよ

思い出せてしまうだろ

脚が震えて凍るような憤りを抱え続けてる

呪いの単位はそれぞれだけど

大きさは全部同じ

許さない、許さないと思い続けてる

祈りみたいなもんだよ

 

 

水の流動性 

雲のない夜の静観性

花の威風凛然 

揺り篭 水筒 灰皿 洗面器 

そういう受容性

水槽の中の水はそこに何も居なければ空間を空間として埋める

包む 抱擁 そういうような

透明な密度がある

 

紫陽花の青色って他の花よりちょっとだけ特別

どうしてかはあんまりわからないんだけど

単純に紫陽花が好きなんだろうとは思う

でも1番かと言われると難しいな

 

1番好きな花って思いつかない

よく見ないと見つからないちいさな花でも

大きく顔を上げた煌びやかな花でも

生きる強さはきっと同じだと思う

 

青い紫陽花の色はすごく複雑で綺麗だと思う

夜の空とか、からすの羽根とか

そういうものと似た引力がある

気がする

 

時期がある花っていうのもあるのかな

 

毎年同じ場所に咲く紫陽花を

毎年見ることができることを

守っていきたいし大事にしたい

 

し、そうやって生きていきたい

 

 

 

普通で平凡な幸せな生活がしたかった

 

目を塞いで見えない振りをしているだけで

聞こえない振りをしているだけで

知らない振りをしているだけで

本当は全然普通じゃない

何もかもが普通じゃない

 

普通で平凡でそれでもそこそこに満足のいく生活というものが

本当はすっごくすっごく幸せなものなんだって知った

 

手に入らないものが欲しいわけじゃない

身の丈に合わない絢爛さもいらない

 

なのになんでか必要なはずだったものだけが

側に無い

 

無かったことで得たものもあるし

失ったから見つけた物もある

足掻いたから知ったこともある

 

今の私を形成したすべてのものに対して

「良かった」と言ってしまえば、たしかに「良かった」のかもしれない 

きっとそういうことなのだと思う

 

苦労を知らず涙も流さず恨み辛み悲しみなんかただの一滴も舐めたことすらない、

そういう人間であって、何一つ知らないまま死んでいく方が幸せだったのか

そうじゃ無い今が幸せなのか

 

わからないけど、今、持ってしまったものを全部無駄にはさせたくなかった

 

平穏な人生なら絵なんか描かなかっただろうし

平凡な人生なら詩なんか書かなかった

平和な人生なら自分の痛みも人の痛みも知らないままだった

 

泥に塗れて汚い涙を流しても

私は私のままでいたいと思う

自分の息は自分で止める

誰にも殺させない

 

 

 

 

 

 

 

ほのかに吐き気のするような感覚の

呼吸のし辛さが襲う時が今でもある

毎日元気100倍でいられないとはわかってても

 

というか24時間365日1分1秒を元気100倍勇気100%でいられるのならそっちの方が恐ろしさ的には上なのだと思うけど

 

岩山の陰から海に落ちてしまいたい時もあるし

1秒前まで笑顔だったのに1秒後に死人のような顔になる時もあるし

何も埋葬していない墓を建てたい時もある

 

好きな占いを見ても鼻で笑ってしまう時とか

ラッキーアイテムが到底持ち得ないものだった時とか

そういう類の諦めを抱えている感覚がある

 

タロットカードで死神が出てきて欲しくてたまらない時とかね

 

海は生と死の匂いが同時にするから好き

圧倒的な生命の居場所でありながら

たくさんの死の香りがする

人間の干渉出来ない領域

 

青は命の色で、緑は死の色だと思ってる

 

森は、海とはまたちょっと違くて

完全な静寂って感じがする

 

花は強さの象徴だと思ってるし、

星は温もりだと思う

 

私が辛い時、救ってくれるのは

いつも、海の存在と星の瞬きだったから

今は海に行きたい