殺意と炎天下の純情

吐いて捨てるほどの

記憶録

 

 

もう、昔のように消えていなくなりたいとか死んでしまいたいと思うことは無くなったけど、

それでも私の中には「死ぬこと」に対するあの頃の気持ちはあまり変わっていないように思う

 

ひとつだけ残っている救いだったし、

でも怖くて怖くて仕方なかった

 

死にたくないのに死ぬことしか知らなかった

怖くて毎日泣いていた

理由なんか無くて呼吸するのと同じように

 

自分が一番怖いものは何?って質問に

躊躇なく「人間」って答えられる

 

私を含めて

 

何を考えているかわからないのなら

湧いて出てくる虫の方がまだ良かった

 

すれ違う赤の他人全員死んでほしくて、

すれ違う赤の他人全員幸せになって欲しかった

 

満員電車で人と肩が触れるたびに動悸がした

バスの隣に座った人が怖くて仕方なかった

生きて動いているものに囲まれるのが恐ろしくて堪らなかった

 

意志はなくて感覚だけがある

帰り道で脚が動かなくなることが多かった

 

花を綺麗だと思うことさえ傲慢だと思ってた

 

どうにか生きてきた

そうしたらなんとかなるようになってきた

考え方が変わって

自分のことを少しずつ愛せるようになった

地の底にあった自分のことが

1番守らないといけないものになった

 

その優しさが人を傷つけると誰かに言われてずっとつらくて

記憶すら覚束なくて夢が現実かもうわからないけど

優しくなくて人を傷つけるくらいなら優しい方が良いと思えるようになった

受け入れて許すことだけが優しさじゃ無いってことも知った

 

なんだかんだで大人になったと思う

子供のままでいたいと思えるのは

自分が子供じゃなくなったからだろう

 

私はまったく完璧な人間じゃないし

きっと、矮小で醜い

それでも花は綺麗だし空は青い

 

傲慢で、思い違いなことなのかもしれないけど

私が好きな人たちは全員少しでも幸せであってほしい

それが私にとっても幸せなことだから